結論から書くと、ホームページのリニューアルを依頼する前に決めておくのは、目的、残すものとやめるもの、公開後の更新の体制、ドメイン・サーバー・メールの名義と契約、予算・公開時期・素材 の5つです。デザインの好みより先にこの5つを決めておくと、依頼先からの提案や見積を同じ条件で比べやすくなり、制作の途中や公開の直前で止まりにくくなります。
この記事では、URL が変わるページの転送の設定、公開後の月額保守の中身、SSL 証明書とドメインの期限の管理は扱いません。月額保守は「ホームページの月額保守は何をしているのか——更新・バックアップ・SSL・監視と契約の確かめ方」、期限の管理は「SSL 証明書とドメインの期限切れを防ぐ管理——担当者が変わっても止まらない仕組み」で説明しています。
決めておく5つのこと
| 決めること | 中身 | 決まっていないと起きやすいこと |
|---|---|---|
| 1. 目的 | 何のために作り直すか、何を増やしたいか | 見た目だけが変わり、問い合わせまでの流れは変わらない |
| 2. 残すもの・やめるもの | 今のページと内容の棚卸し | 必要なページが抜ける、古い情報がそのまま移る |
| 3. 公開後の更新の体制 | 誰が、何を、どのくらいの頻度で更新するか | 社内で更新できない作りになる、使わない仕組みに費用をかける |
| 4. 名義と契約 | ドメイン・サーバー・メールを誰が持っているか | 公開の作業に入れない、メールが止まる |
| 5. 予算・公開時期・素材 | 上限の金額、公開したい日、原稿と写真 | 範囲が決まらない、素材を待って止まる |
すべてを細かく決めてから依頼する必要はありません。決められない項目は「未定」と書き、依頼先と相談しながら決めます。大事なのは、どこが決まっていて、どこが決まっていないかを依頼する側が分かっていること です。
目的と、残すもの・やめるもの
1. 目的——作り直して何を増やしたいか
「古くなったから」「スマホで見づらいから」は、作り直すきっかけです。目的として決めるのは、作り直した後に 何を増やしたいか です。
- 問い合わせや見積の依頼
- 予約、来店(地図や営業時間を見てもらう)
- 採用の応募
- 資料の請求、取引先からの信頼の確認
いちばん増やしたいものを1つ決め、ほかには順位を付けます。目的によって、トップページに何を置くか、問い合わせフォームをどこに出すかが変わるからです。誰に向けたサイトか(新しい顧客、今の取引先、求職者)もあわせて書きます。
もう1つ、公開後に何を見て効果を判断するかを決めておきます。問い合わせの件数、フォームの送信数、応募の数などです。リニューアルの前に今の数を記録しておかないと、後で比べられません。
2. 残すもの・やめるもの——今のページの棚卸し
今のサイトのページを一覧にし、1ページずつ扱いを決めます。メニューにあるページだけでなく、CMS(管理画面からページを更新できる仕組み)の一覧やアクセス解析で、メニューから外れたページや、よく見られているページも探します。
| ページ | 扱い | メモ |
|---|---|---|
| 会社概要 | 直して残す | 役員と所在地を最新にする |
| 施工事例 | そのまま残す | 写真は新しいデザインに合わせて差し替える |
| 古いキャンペーン | やめる | 期間が終わっている |
| よくある質問 | 新しく作る | 電話で多い質問をまとめる |
ページのほかに、次のものも棚卸しに入れます。
- PDF の資料(カタログ、価格表、申込書)
- 問い合わせフォームの項目と、通知メールの送信先
- 埋め込んでいる外部のサービス(地図、予約、動画)
- プライバシーポリシーのように、内容を見直して残すページ
このとき、URL が変わるページに印を付けておきます。旧 URL から新しい URL への転送は公開の作業で設定しますが、その元になるのがこの一覧です。
公開後の更新の体制と、名義・契約
3. 公開後に誰がどう更新するか
更新するページと頻度を書き出します。お知らせ、施工事例や実績、採用情報、料金、営業日などです。そのうえで、次の3つを決めます。
- 社内で更新するか、依頼するか。社内なら担当者と代わりの人
- 社内で更新する範囲(お知らせだけか、本文や写真もか)
- 依頼する場合の依頼先と、費用の扱い
社内で頻繁に更新するなら、CMS やお知らせの更新機能が要ります。ほとんど更新しない、または更新は依頼するというサイトなら、管理画面は必須ではありません。CMS(WordPress が代表的)を入れると、本体やプラグインの更新という保守の作業も増えるので、誰が受け持つかまで決めておきます。
4. ドメイン・サーバー・メールの名義と契約
リニューアルでは、サーバーや依頼先が変わることがあります。作業に入る前に、次の項目を誰が持っているかを表にします。
| 対象 | 確かめること |
|---|---|
| ドメイン | 登録の名義、管理している事業者、管理画面に入れる人、期限と支払い |
| DNS(ドメインとサーバーを結ぶ設定) | どこで設定しているか |
| サーバー | 契約者、管理画面に入れる人、リニューアル後も使うか |
| メール | どこで動いているか(サーバーのメール機能か、別のサービスか)、アドレスの一覧 |
| 関連のアカウント | アクセス解析、Search Console など |
メールをサーバーのメール機能で使っている場合、サーバーを替えるときはメールの移し方も決める必要があります。DNS の設定を変えると、ホームページだけでなくメールの届き先も変わることがあるためです。名義が以前の制作会社や退職した人個人になっていると、変更の手続きが進まないことがあります。見つかったら、リニューアルの作業より先に整理を始めます。
予算・公開時期・素材と、依頼先に渡すメモ
5. 予算・公開時期・素材の用意
予算: 上限の金額を決めます。制作の費用だけでなく、公開後に毎月・毎年かかるもの(ドメイン、サーバー、保守、更新の依頼)も分けて考えます。あわせて、目的と棚卸しから「欠かせないもの」と「あればよいもの」を分けておくと、予算に合わせて範囲を削るときの基準になります。
公開時期: 公開したい日と、その理由(新年度、移転、新しいサービスの開始など)を書きます。動かせない日か、目安かも分けます。日付から逆算して、次の日程も決めます。
- 素材を依頼先に渡す日
- 社内で確認し、最終の判断をする人と、そのための日数
- 今のサーバーの契約の期限。新しいサイトの公開と確認が終わるまで、今のサーバーは解約しない
素材(原稿・写真): 次の3つを確かめ、揃っていないものは「いつ揃うか」を書いておきます。
- 原稿: 誰が書き、誰が確認するか。依頼先がたたき台を作る場合も、料金や所在地などの事実の確認は社内でします
- 写真: 撮り直すか、今の写真を使うか。人物が写っている写真は、掲載の了承を取っているか
- ロゴ: 元のデータがどこにあるか
決めたことを1枚にまとめて渡す
5つの答えを1枚のメモにすると、依頼先に同じ説明を繰り返さずに済み、複数の依頼先にも同じ条件で相談できます。
- 目的: いちばん増やしたいもの、誰に向けたサイトか、効果を見る数
- 残すもの・やめるもの: 棚卸しの表(URL が変わるページの印つき)
- 公開後の更新: 更新するページと頻度、社内か依頼か、担当者
- 名義と契約: ドメイン・サーバー・メールの一覧と、名義が整理できているか
- 予算・公開時期・素材: 上限、公開したい日と理由、素材の有無と揃う時期
依頼先には、メモのどの項目が提案や見積に入っているか、入っていない項目は誰がするのかを確かめます。答えを並べると、依頼先ごとの違いが分かります。
h-system でできること
h-system では、ホームページを新しく作りたい・作り直したい場合に「ノーヒアリングHP制作」をお引き受けしています。業種別のデモで見た目を選び、問診票(10〜15分程度)でお店の基本情報・デザインの方向性・素材の有無などに答えていただく進め方で、文章はゼロから完全代行するのではなく、問診票をもとにたたき台を整理します。素材が揃っていない場合もご記入いただけます。料金はライト 49,800円〜、スタンダード 139,800円〜、カスタム 298,000円〜(いずれも税込・目安)で、公開・管理は h-system で公開・管理する方法(公開・運用基盤管理 月額3,000円〜・税込)と、自社で管理する方法(制作・納品のみ)から選べます。ドメインはお客様名義での取得を推奨しています。