ホーム › ブログ › HP制作・サイト運用 › ホームページの更新を自分でやるか頼むか——作業ごとの切り分け

HP制作・サイト運用

ホームページの更新を自分でやるか頼むか——作業ごとの切り分け

結論から書くと、ホームページの更新を自分でやるか頼むかは、作業ごとに「頻度」「失敗したときの影響」「元に戻せるか」「必要な権限と知識」の4つで決めます。お知らせの追加や文言の修正のように回数が多く、失敗しても管理画面の中で戻せる作業は社内で行い、CMS・プラグインの更新、PHP の切り替え、DNS の変更のように、失敗するとサイト全体やメールが止まり、戻すのに別の知識が要る作業は頼む側に寄せるのが基本です。自分でやる作業は、権限を分け、触る前にバックアップを確かめ、手順をメモに残す ことで安全にします。

この記事では、月額保守の契約に何が含まれるか、今の契約をどう確かめるかは扱いません。それは「ホームページの月額保守は何をしているのか——更新・バックアップ・SSL・監視と契約の確かめ方」で説明しています。CMS(管理画面からページを更新できる仕組み)の更新手順そのものも扱いません。例には、広く使われている WordPress を使います。

4つの観点と、作業ごとの切り分け表

観点 見ること
頻度 どのくらいの間隔で発生するか。毎回頼むと、依頼と確認の手間が作業そのものより大きくならないか
失敗したときの影響 1ページの誤りで済むか、サイト全体やメール、問い合わせが止まるか
元に戻せるか 管理画面の中で前の状態に戻せるか。バックアップや別の知識が要るか
必要な権限と知識 日常の更新の権限で足りるか。管理者の権限や、サーバー・ドメインの管理画面が要るか

迷ったときは「失敗したときの影響」と「元に戻せるか」を先に見ます。止まる範囲が広く、戻し方を社内の誰も知らない作業を抱えると、不具合のときに直せる人がいません。反対に、影響が1ページの中に収まり、すぐに戻せる作業は、手順をメモしておけば社内でできます。

主な作業を並べると、次のようになります。サイトの作りや社内の経験で変わるので、目安として使ってください。

作業 頻度 失敗したときの影響 元に戻せるか 目安
お知らせの追加 多い そのページだけ 管理画面で直せる 自分で
文言の修正 多い そのページだけ 版の履歴から戻せる 自分で
画像の差し替え 時々 そのページだけ 元の画像があれば戻せる 自分で
ページの追加 まれ メニューや導線に及ぶ 非公開に戻せる 条件付きで自分で
フォームの項目変更 まれ 問い合わせが届かなくなる 気づくのが遅れやすい 条件付きで自分で
CMS・プラグインの更新 随時出る サイト全体 バックアップが要る 頼む
PHP の切り替え まれ サイト全体 戻せないことがある 頼む
DNS の変更 まれ サイトとメール 直してもすぐには戻らない 頼む
バックアップ 自動 戻せないことが後で分かる — 設定は頼み、確認は社内でも
SSL・ドメインの更新 自動 サイトとメール 期限を過ぎると手間がかかる 期限の確認は社内でも

社内でやりやすい作業と、条件付きの作業

お知らせの追加・文言の修正

回数が多く、毎回頼むと反映まで待つことになります。WordPress は投稿や固定ページを保存するたびに版(リビジョン)を記録し、リビジョンの画面から以前の版に戻せます(残す版の数を設定で絞っている場合もあります)。失敗しても戻しやすいので、社内でやる作業の中心です。価格や営業時間、所在地のように、間違えると問い合わせや来店に響く文言は、公開の前にもう一人が読みます。

画像の差し替え

差し替える前に、元の画像を手元に残します。差し替えた後は、その画像を載せているページをパソコンとスマートフォンの両方で開いて確かめます。同じ画像をほかのページでも使っていることがあるので、古い画像はすぐには削除しません。

ページの追加

既存のページを複製して中身を入れ替える程度で、メニューへの載せ方と URL の付け方が決まっていれば、社内でできます。下書きのまま確認し、もう一人が読んでから公開します。レイアウトが違うページや、機能を持つページは頼む側です。

フォームの項目変更

失敗が画面に出にくい作業です。変更した後も送信はできるのに、通知メールに新しい項目が入っていない、メールが届いていない、といったことは、フォームの画面を見ただけでは分かりません。社内でやるなら、変更のたびに自分で送信して、通知メールと自動返信が届き、項目が入っていることを確かめます。送信先や、集める個人情報の項目が変わる変更は頼みます。

頼む側に寄せる作業と、確かめる役を社内に残す作業

CMS・プラグインの更新

WordPress の権限グループの説明では、本体・プラグイン・テーマの更新や、プラグインの追加は、管理者だけができる作業です。失敗するとサイト全体に及び、戻すにはデータベースとファイルのバックアップが要ります。社内でやるなら、更新の後に表示がおかしくなったときに、バックアップから戻せる人がいることが条件です。

PHP の切り替え

IPA の「安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条」は、ソフトウェアをバージョンアップすると今まで動いていたウェブアプリケーションが動かなくなる場合があるため、事前の検証が必要だとしています。レンタルサーバー会社が古いバージョンの提供を終えると、時期も選べません。テーマやプラグインが新しい PHP に対応しているかを調べる知識が要るので、頼む側です。

DNS の変更

DNS は、ドメイン名とサーバーを結びつける設定です。変えるのはサーバーの引っ越しやメールのサービスの変更のときくらいですが、誤るとサイトとメールの両方が止まります。JPRS の用語辞典の TTL の説明のとおり、DNS の情報は、TTL で示された時間までキャッシュ(一時的な保存)に残ることがあります。誤った値を直しても、古い値が使われ続けることがあり、すぐには元どおりになりません。変更は頼み、社内では変更前の設定を控えておきます。

バックアップと SSL・ドメイン

どちらも自動で動く仕組みが中心で、設定はレンタルサーバー会社や保守の担当に任せられます。ただ、通知が社内に届くこともあるので、「何日前まで戻せるか」「次の期限はいつか」を知る役は社内にも置きます。期限の管理は「SSL 証明書とドメインの期限切れを防ぐ管理——担当者が変わっても止まらない仕組み」で説明しています。

自分でやる作業を安全にする3つの前提

1. 権限を分ける

WordPress には管理者、編集者、投稿者などの権限グループがあり、管理者は管理画面のすべての機能を使えます。編集者は、ほかの人の投稿を含めて投稿と固定ページを公開・管理でき、画像も追加できますが、本体やプラグインの更新、ユーザーの追加はできません。お知らせや文言を直す担当者には編集者のアカウントを1人1つ用意し、管理者のアカウントは更新を担う人だけにします。

WordPress のハードニングの公式ドキュメントは、管理画面から管理者がプラグインやテーマの PHP ファイルを編集できる機能が、ログインした攻撃者に最初に使われることが多いと書いています。管理者の権限を配らない理由の一つです。

2. 触る前にバックアップを確かめる

WordPress のバックアップの公式ドキュメントは、データベースを定期的に、更新の前には毎回バックアップするよう勧め、サイトを戻すにはデータベースとファイルの両方が要るとしています。リビジョンは投稿や固定ページの版の記録で、バックアップの代わりにはなりません。メニューやフォーム、設定の画面を触るときは、直近のバックアップがあるかを先に確かめます。

3. 手順をメモに残す

作業ごとに、次のことを1枚にまとめて共有の場所に置きます。担当者が代わっても、同じ手順で続けられます。

  1. 使う画面と、操作の順番
  2. 終わった後に確かめること(表示、スマートフォンでの見え方、フォームの送信)
  3. うまくいかないときの戻し方と、連絡先

あわせて、いつ・誰が・何を変えたかを記録しておくと、不具合が出たときに頼む側が原因を絞り込みやすくなります。

h-system でできること

h-system のサイト運用代行ライトプランでは、他社が制作したホームページも含めて、デザインを作り替えずに運用をお引き受けしています。テキスト・画像の差し替えや項目の追記といった軽微な更新を月数回まで代行し、稼働の監視、サーバー・基盤まわりの更新対応、不具合時の一次対応といったサーバー管理も内容に含みます。どの作業を対象にするかはご契約の際に確認し、月数回を超える更新や、ページの新規制作・機能の追加は、内容を伺ったうえで別途ご相談となります。料金は月額制の個別見積りです。

TOP